エンタメ至上主義

こんなはずじゃなかったけど、歳を取るほど人生が楽しい。

「Nizi Project」を「アイドルオーディション番組」というなかれ

昨日から今日にかけて、ずっと「Nizi Project」を観ている。いま、Part2の8話が終わったところだ。

まず私は人生でアイドルにハマったこともなければ、オーディション番組を観たことも殆どない。Nizi Project、通称「虹プロ」のことはTwitterのTLでよく見かけるので「あぁ流行っているのだな」と思っていた。ラストアイドルやプデュの時も同じようなテンションのツイートをよく見かけたので、面白いんだろうな〜と思いつつ、約30年かけて自分がアイドル文化にはいまいち乗れない性格であるということもよく分かっていたので、今回も特に観る予定はなかった。

ところが、ひょんなことからこの週末と週初めの2日間を虹プロに捧げてしまった。土曜の夜に会った友人、はまちゃんがこんなことを言い出したからだ。

 

「私、実は餅ゴリペンなの」

 

聞くと、ペン=韓国語でファン、餅ゴリ=この番組の「プロデューサー」役、J.Y.Parkの愛称らしい。つまり、プロデューサーのファンであるということ。そこから、餅ゴリさんの簡単な経歴について、プロデュースしたアーティストのMV、虹プロを観るとみんな餅ゴリのファンになるのだ、ということなどを熱く一時間語ってくれた。私は驚いた。彼女は、対象としての人間にハマるような人種ではないと思っていたからである。分かりやすくアニメやアイドルを掲げていることもないし、インターネットの中の世界にも一切興味がない。美容や家電について異常に詳しいので、オタク気質は持っているしそういうところが合って私と友人をやっているのだと思っていたけど、はまちゃんがハマる餅ゴリ is どんな人よ!?そんな想いから、私は日曜の午前に「Nizi Project」の門を叩いた。ほんの軽い気持ちで…

(ちなみにはまちゃん曰く「虹プロが始まって餅ゴリペンが増えたから自称しづらくなってしまった。私は3年前から好きなのに…」とのことだ。3年もよく黙ってたな!?)

 

「Nizi Project」とは

Part1:全10話、Part2:全10話からなる。Part1は、日本の8大都市+アメリカ2都市、計10都市の地方予選から始まり、J Y.Parkが各地の才能に出逢い、選抜し、集められた26名による合宿が行われる。合宿を通して選ばれた人間が、Part2:韓国でのトレーニングに進むことができる。最終的にはガールズグループとしてデビューする数人を決める番組である。

 

感想言います。言わせてくれ。

ここからネタバレしまくります。というか、私が昨日から現時点まで感じたことをそのまま脳直に言語に落としていきます。ちなみに、ここまで一切の検索をしていないので他の人の感想や結果ネタバレなどを耳に入れていない。スッキリも観ていない。番組だけを観続けて、感じたことをそのまま書きます。

 

これって、なんとなくイメージするところの「アイドルオーディション番組」ではないよね。素晴らしい人格を備えたプロデューサー兼 大手芸能レーベルの社長兼  25年以上第一線でステージに立ち続けるプロのアーティストによる人間育成の過程を、この上なく丁寧に描いた番組だよね。素晴らしい才能と出会い、言葉で教えでどのようにその才能を引き出し伸ばし、ステージに立つ人間に育てるのか、その全てを視聴者に観せてくれる番組。

私がなんとなくイメージするアイドルオーディションは、先にグループのコンセプトやなんとなくの人数やカラーが決まっていて、それに適した人材を残していく。オーディションの過程でとんでもないスターを見つけてしまった時は、その人を中心に添えたグループを形成していく。そんな「形から作りあげていくもの」だと思っていたんですが、この番組はまず参加者一人一人の才能ありき、それぞれが「プロの歌手」になることがまず第一優先、その上でどんなグループにしていくか決める。めちゃくちゃ人を見ているし、選考の過程で下手な贔屓や偏った期待が一切ないな、と思いました。(他にオーディション番組を観たことがないのであれだけど、他でもこんな感じなのかもしれないけど!)

 

Nizi、そしてペンダント・キューブというコンセプト

そもそもPart1、第1話のオープニングからこちとらやられた〜〜〜!と思ったわけ!みんなが「虹プロ、虹プロ」言うから、ほ〜んレインボーな感じねと安直に捉えていたら、OPムービーで「N」「I」「Z」「I」の字を組み合わせた【☒】の形が浮かび上がる。地方予選に合格した参加者にはこの形のペンダント(Niziペンダント)が与えられ、Part1の合宿を通してJYPが重視している4要素(ダンス・歌・スター性・人格)のテストに合格した場合、1つずつ三角形のキューブが与えられ、4つ全てを満たした者がPart2の韓国に進める…って、なにこれ掴みと根幹を成すコンセプトが完璧すぎる!!!!!

 

まずもう地方予選で、大スターであるプロデューサーを前にパフォーマンスし終えた参加者、その女の子に合格の声と共にペンダントをかけてあげる…というのがたまらなくロマンチックなのである。そこからの4つのキューブも全てJ Y.Parkの手ずからペンダントに収まるのである。

このキューブを「宝石」と言う子もいたし、「今夜は枕の横に置いて抱いて眠る」と言った子もいた。自分自身が評価された証を、四六時中身につけていられるペンダントという形で、それぞれの女の子に与えてあげるの、本当に初期設定が神。魔法少女のアイテムかよ。だって、認められるごとにだんだんと重さが増していくんですよ。本当に抱いて眠る夜もあっただろうし、ステージに立つ前には握り締めていたであろう。彼女たちの夢は、価値は、キラキラと胸に輝いているのである。メッセージの抽象化が上手すぎるな!!!(この番組はカメラに映っていない時間がとても長いので、集中力が切れる瞬間やステージで言われた言葉を忘れる瞬間もあると思うんですけど、手元にあるペンダントを見れば、絶対に思い出される気持ちがあると思うのです。やっぱり目に見える何か、って必要だよ。)

 

観ながら思ったことをそのまま箇条書き

ほぼノンストップでここまで18エピソードを観て、都度都度思ったことをメモしていたので、それを箇条書きする。Parkさんの人格や言葉選びの素晴らしさ、評価の明確さなんかは100億回言及されていると思うし、番組を見ればわかることなので書きません。

・番組として「見せる」「見せない」部分が明白

Part1から2までの間に残っている女の子たちが全員めちゃくちゃ可愛く垢抜けて、見た目もタレント・プロに近づいていくんだけど、その辺りの裏側は一切言及しない。見せない。番組としてフィーチャーするのはあくまでステージアクトのための努力と涙なのが気持ち良い。綺麗になっていく過程も追おうと思ったら追えると思うんですよ、でもそれはあくまでステージの上で「成果物」の一つとして見せるもので、裏側は見られないのが本当に良いなと。気づけばみんな超綺麗なんだよね、メイクも髪型も本当に垢抜けて。裏側って観たらそれはそれで楽しいんだけど、それはやっぱり最終手段なんだよねあらゆるコンテンツにとって。見せすぎたら夢が見られなくなるからだめ。

・ステージの上には全てが現れる

尺の関係もあるだろうけど、上記の通り「頑張っている姿」を過剰に映しすぎず、パフォーマンスを映すことに終始してくれるの、観客・視聴者への信頼の現れのようで嬉しい。まぁ本当、ステージの上の数分間だけで良いんだよ。素晴らしいパフォーマンスを観た時に、そこに至るまでの過程や気持ちや努力や…を想像して泣けますよ観客は。

・参加者はみんな対等・平等

Part1は元々JYPの練習生だったメンバー(マコ・ミイヒ・リマ・ユナ)が最初から実力があってテストでも目立つんだけど、それに対して真っ向から評価し順位は付けるけれど、それが参加者内の序列にならないのが良い。順位はあくまでその時のパフォーマンスに対しての評価。いわゆる「Pのお気に入り」みたいな概念が存在しない世界、治安が良い。その場で良いものを見せれば認めてもらえるって、目指す方向が明確に提示されているのは真っ直ぐに頑張れるよね。

・常に観客に「面白い」と思わせられるのがスター

こちらの想像を乗り越えていく・思いもよらなかった方法で裏切られる、その瞬間に「面白い」と感じる。その連続を、長い間観客に提供できるのがスターなんだよね。観客はひどい生き物なので、ただの「好き」は案外持続してくれなくて、「面白い」と思わないとチケットを買い続けてくれない。Part2のステージ中心の回になると、各メンバーがきちんと「これまでと違う私を見せようと思って」とイメージに無い選曲をして予想を裏切るパフォーマンスをしてくれるの、超気持ち良い。どんどんメンバーを好きになる。

・10代の女の子が自分を「キャラクター化」しないことの尊さ

最初の最初から参加者に「君自身を見せろ」と言い続けること、素の自分を魅力的に見せられた瞬間に即座に褒めてくれること、そういう姿勢なので、女の子たちが自分自身を「こういう人間、キャラクター」と決め付けて、それを演じようとしないことが素晴らしいと思う。自分を決まった枠組みに入れると、それで思い悩んで後から苦しくなってしまうタレントもきっと多いじゃないですか。そうではなくて、「そのままの自分で」「思いっきり楽しんで!」と伝え続けてくれること、素晴らしいよね。

女の子たちについて

Part2まで残っている子は大体もう愛着がありいくらでも語れると思うけど、印象的なところだけ。

・Part1中盤からずっとユナに一番肩入れして観てたんだけど、いわゆる子役のジレンマ的な、芸能歴が長いから大人が求める正解を当てに行こうとしてしまう70-80点ぐらいの感じに本当にジリジリしてたので、Part2 7話で一番泣いた。いやーーー長かったなぁ!

・アヤカのスター性、48関連だったらセンターに来るタイプだなーと思う。よね?実力が足りなくても「この子を逃したらきっと後悔する」という感性に訴えてくるタイプの魅力で残り続け、Part2で歌もダンスもめっちゃ上手くなるのドラマがあり過ぎるな。

・マユカが評価される時に高確率でリクの泣きそうな顔が抜かれるけど、この二人は親友なんですか!?!?

・集まった才能を見てどんなグループにするか決める、という点で、地元名古屋でのオーディションを受けられなかったニナが仙台までやってきて参加をしてくれたの、プロデューサー側にとっても、人との出会いは運であり運命であり巡り合わせなんだなと感じる。

・努力の天才みたいなマコが、堅物キャラではなく物凄く面倒見の良いお姉さんで、椅子取りゲームで死ぬほど熱くなる人なの、グループとして最高では?あそこまでストイックだと人にもきつくなってしまいそうだけど、あくまで優しく背中で引っ張るタイプなの、推せますね…

・遺伝子の強さを存在そのものから感じるリマ。が、のっけの東京予選から「All you have to do is just be yourself.」という言葉で、不安とかコンプレックスから解放されてしまうのが凄いよね。偉大な親と自分、それでも自分は自分。TVドラマだったらこの克服だけで5~6話までは保たすんだよ!笑 見た目はクール系だけど、自分らしさを出したら明るくてでも繊細な女の子だった!というのも、漫画のような話。

・ミイヒの闘争心が超好き。モモカ脱落の時にステージ上で哀しい顔を見せないのも良い。やっぱり「1位になりたい」と言ってそこを目指す人間がセンターになるんだよなというのをずっと感じさせてくれる女の子。(※現時点でPart2 8話で止めているので最終どうなるかわかりません!)スター性テストのバトントワリングが完全に『カードキャプターさくら』です、ありがとう。

・完全に蛇足と思いつつ言うけど、札幌地方予選、記念受験っぽい雰囲気にもかかわらず面白い人材なので残ったスズ。…が、ダンス5位、歌5位、スター性テストもストレートにキューブ獲得して最終8位に入った内情(パフォーマンス映像)を観せてくれないの、なんなの!?笑 ずっとめちゃくちゃ気になってたよ!後半で観せてくれると思ってたわい!ていうかスズ凄くない!?なんで!?!?!?

 

やっぱり「人格」を大事な要素に挙げているだけあって、みんなひたむきで良い子で、過剰にベタベタしておらず、スポ根物語を観ているかのようなドラマ性と爽やかさがあるよね。いろんな人から虹プロを勧められた理由がとてもよくわかります。女の子全員を好きになる。誰がこの後デビューを決めても、ストレートに応援できると思います。

 

…というわけで、ファイナルステージ行ってきます。

あーーーーこわい!!!

誰が残るのか観るのがこわい。誰が落ちてもきっと寂しい。でも、この参加者の誰もがみんな、10代のうちの約1年間をこの日々に費やしたことを後悔することは無いんだろうな。

みんな!9〜10話を観終わったら私とハイタッチしてよね!?やってみましょう!ファイティン!